ビジネスの本質とは何かといえば、「価値の交換」である。現代では、一般的にモノ・サービスとお金を交換する。じゃあ価値って何かといえば「欲しいもの」ということである。
なので非常にシンプルに考えれば、事業がうまくいかないのは相手が欲しいものを提供できていないからであり
、いらないものを売ろうとするからであり、事業の好転には「相手が欲しいもの」を提供する必要がある。
では「人が欲しいもの」をどう作るのか。ざっくっといえば、1)自分で想像してみる、2)人に聞いてみるの2つがある。
それぞれに手法はいろいろあるが、「相手が欲しいものは何か」を理解できるかどうかがカギであり、結局は他者理解というコミュニケーションの領域のことが、ビジネスでも根っこにあるというこということである。人間を相手にしているので当然と言えば当然だが。
そして、これってとても難しいのだ。他者理解。人は自分の想いや考えに捕らわれるから。よくあるパターンが、自社商品のあれがいいこれがいいと思い込んでしまうこと。商品への想いが強ければ強いほど、そうなってしまう。だが相手からすれば、どんなにその商品がいいと力説されても、欲しくないものは欲しくない。
自分がいいと思っていることは、本当に相手にとっていいのか。何がいいのか。どういいのか。商品への愛が強ければ強いほど、それが見えなくなってしまう。そして「どうしてこんなにいい商品なのに売れないんだろう」となる。
そうすると「伝え方が悪いのでは?」と考え出して、プロモーション領域の話に入っていきがちだが、そうする前に一度原点に立ち返るべきだ。「これは誰にとって、何が嬉しい商品なんだろう」と。「本当に相手が欲しい商品なのか?」と。
他者理解への第一歩は、とにかく相手を観察するということ。それができていないビジネスは、結局はうまくいかないということになる。